全く本を読んだことがない社会人2年目が読書を始めてみるというこのブログ。
85回目はやまだのぼるさんの『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』について書いていきます。
またまたモキュメンタリーホラー!
結構厚みがあるので、内容も盛り盛りなはず✨
読んだ感想を書いていきます!
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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やまだのぼる著『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』を読んでみた
「アルマーク」シリーズでデビューし、カクヨム等で連載を続けているやまだのぼるさん。
本作『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』は、モキュメンタリー形式のホラー小説です。
供述調書や新聞記事、画像資料等さまざまなかたちで情報を出してくれるため、ぶ厚めですが飽きずにスルスル読めます!
短い章が重なっている形式で、『近畿地方のある場所について』等の形式がお好きな方におすすめ。
ただ、読者をしっかり呪ってくるのでご注意ください。
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
無計画な散財により困窮していた飯田は、編集プロダクションのFから「ある警察官の告発を記事にして欲しい」と依頼を受ける。警察官の不祥事など門外漢であり、実際に会った警察官・尾野の奇妙な様子から依頼を断ろうとした飯田だったが、Fから振り込まれた多額の取材費を前に取材を続けることを決意する。その警察官の告発とは、東京都内のK警察署管轄内でおこる「こしえさん」という女性にまつわる事件と、それを隠蔽しているK警察署についてだった…。
受け取ってしまうとおかしくなってしまう木片を配っている女性「こしえさん」。
警察官・尾野のいるK警察署管轄内では、「こしえ」さんに接触したという人たちや、「こしえさん」が配っている木片のそばで身体がねじ切れるようにして死んでいる人間が頻繁に発見される。
それを殺人ではなく病死で片付ける警察署に対し、隠蔽であると義憤を抱いた尾野はフリーライターである飯田に告発するが…
赤ん坊を抱いて木片を配る「こしえさん」の正体は?
なぜ木片を受け取ると死ぬか、おかしくなってしまうのか?
様々な資料を探っていくうちに、「こしえさん」は飯田にも近付いてくる…
ぜひ真相と結末をお確かめください。
【ネタバレ注意】読んでみた感想
因習村かつ、無差別広範囲攻撃というハイブリッドなホラーでした。
因習村系のホラーには、因習村関係者以外に害があまりないため、自分にも降りかかるかも…という怖さがあまりないという弱点(?)があります。
しかし、本作『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』では、影響がどんどん広がっていくというかたちの怪異が取り上げられているため、その点をカバーしています。
しかも、何度もフィクションだと断っておきながら、単行本限定の書き下ろしでは、、、
まさにモキュメンタリーです。
供述調書やLINE画面がかなりそれっぽく、読んでいてかなりドキドキします。
モキュメンタリー系は読み進めれば怪異の原因がわかって怖さが解消されるものが多いため、「早く結末を知りたい!早く早く!」とどんどんページを捲ってしまいますよね。
まあ、真相を知ったところで救われるとは限らないのですが、、、
唯一の救いは、「こしえさん」は割と実体があるので物理的な遮断は割と有効なことでしょうか。
フリーライターの飯田視点で進んでいくのに、傍から見たら飯田がどんどんおかしくなっていくことの怖さよ…
やっぱり怪異に関わるとロクなことはない。
それでもホラーは読んじゃうんですけどね。
【読了後推奨】若干の考察
※ここからは読み終わった方向けに書いていくので、未読の方はご注意ください!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「こしえさん」とは、実際にNという村にいた女性であり、穢れを溜め込む木像を持ち出してしまい怪異となってしまった女性。
そして、木像は溜め込んだ穢れをばら撒くため、「こしえさん」はその木像の手助けをすることで子どもを産むため、N出身の人間からはじまり、関わりのある人たちに木片(=穢れの一部)を渡そうとしてきます。
しかし、最早木像は「こしえさん」という実体を使うのをやめ、もっと効率的に呪いを広げる手段に移りました。
それが本書『ある警察官の奇妙な告発にまつわる諸資料』が印刷されている紙(穢れを溜め込んだ木片が原材料)に触れた人間に穢れを攪拌される、というもの。
…読んでなくても、書店員さんとかにも伝播しちゃうんじゃ?
かなりの広範囲攻撃です笑笑
そして、N出身である人間は木片に触れると亡くなりますが、N出身でなければおかしくなってしまうとのこと。
ただ、Nの村人たちが人が外に出ていってしまうことに対して激怒していたので、穢れは被る人間が多ければ多いほど良い(安全性が増す?)、となります。
この本が売れるほどあなたへ降りかかる穢れは薄くなるよ〜というやつですね。
作中の全てを仕組んだのは、恐らくN出身で成功した一族なんでしょう。
作中でところどころ出てきた議員一族が多額を編集者Fに支払い、全てを仕組んだという筋書きなんだと思われます。
金と好奇心に目が眩むとロクな目にあわない、というのが本作の教訓でしょうか…
なんにせよ、因習村の呪いは因習村だけでとどめておいて欲しいですね。
モキュメンタリーの楽しさは文章だけじゃない!
本作にもところどころ取材資料としてLINEの画面や、木片の画像が掲載されていました。
文章だけをずっと読んでいるより変化があって、より気軽なエンタメとして楽しめますね♪
モキュメンタリーとしての現実味も増しますし、こういう仕掛けは良きです。
おもしろい仕掛けの本をどんどん読んでいきたいです!
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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