全く本を読んだことがない社会人2年目が読書を始めてみるというこのブログ。
83回目は斉砂波人さんの『堕ちた儀式の記録』について書いていきます。
表紙の雰囲気が良くて購入してしまいました✨
モキュメンタリーホラーだそうです!
読んだ感想を書いていきます!
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
※Amazonアソシエイトプログラムに参加しています。
斉砂波人著『堕ちた儀式の記録』を読んでみた

KADOKAWAや竹書房から実話会談集を編者として刊行されている斉砂波人さん。
本書『堕ちた儀式の記録』は、元々noteで連載されていたものを大幅に加筆修正をしたものだそう。
『近畿地方のある場所について』で爆発的に人気となったホラー形式「モキュメンタリーホラー」のひとつで、実際にあった体の地方集落の儀式について記録や資料から真相を辿っていきます。
細切れになっているので隙間時間でも読みやすく、章と章の間を考察するのも楽しかったです!
そこまですごくホラーというわけでもなく、因習村系等特定の原因がある怖さは平気な私はちゃんと離脱せず最後まで読みきれました。
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
大学で民俗学を研究している僕は、先輩ゼミ生が残したVHSテープに残された「ノミコ数珠回し」という儀式を研究すべく、東北地方にある瀧来地方へ来ていた。テープにはからっぽの桶を前に座る幼い子どもと、それを取り囲んで大きな数珠を鳴らしている大人たち。雨乞いの儀式だと伝わっているが、夏にだけ行われているわけでもなければ、その土地は農業地帯でもない。調べているうちに僕は、儀式が行われる時期に必ず1人、子どもが行方不明になっていることを突き止める…。
物語は前半と後半に分かれています。
前半では、「僕」が東北地方の瀧来地方に伝わる雨乞いの儀式「ノミコ数珠回し」について研究していき、
そして後半では前半にもちょこちょこ登場していた昆虫研究家「私」が四国地方の高山集落に伝わる霊能力者を生み出す儀式「オハチヒラキ」の真相に迫っていきます。
このふたつがどう繋がっているかは明言されていないものの、ところどころに匂わせ的なものは散りばめられているため、考察が捗りますね…
「堕ちた儀式」というタイトル通り、出てくるふたつの儀式はどちらもかなり怪しげです。
【ネタバレ注意】読んでみた感想
かなり読みやすいのに、考察の余地も残されていてモキュメンタリーホラー好きさんには間違いなくおすすめできます!
ただし、考察の難易度は少し高め?
ところどころに挟まる聖書の文言をどう解釈するか等、解釈が難しい部分も多いです。
モキュメンタリーホラーらしく、過去の事件の記録や儀式を記録した資料、新聞記事のような体裁の断章など短く多様な章が楽しめます。
本の作りとしては『近畿地方のある場所について』とかなり近いです。
(実は『近畿地方のある場所について』は怖すぎて一度挫折してます…笑笑)
ただ、『近畿地方のある場所について』ほどのホラー感はなく、地方の集落に住む人々がどのように自分たちの生活を守ってきたか?そこに犠牲はつきものだよね、系のおはなし。
因習村系がお好きな方にもおすすめです!
前半で取り上げられる瀧来地方でテーマとなっているのは、「ファフロツキーズ現象」と呼ばれる、雨や雪などではない「異物」を降らせる気候現象。
空から水生生物が降ってくる話は聞いたことがありましたが、これを「ファフロツキーズ現象」と呼ぶというのははじめて知りました笑
そして、後半のテーマは「巫病」。
これも名前自体に聞き馴染みはありませんが、イタコなど霊能力者がその能力を取得する過程で高熱や昏睡など特定の症状に罹患すること。
もうこのテーマだけでかなりの後暗さがチラ見えしていますが…
ふたつの地方に伝わる儀式の真相とは?ぜひお確かめください。

【読了後推奨】若干の考察
※ここからは読み終わった方向けに書いていくので、未読の方はご注意ください!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
本書『堕ちた儀式の記録』でぼかされている部分は主に、
①前半と後半のつながり
②前半でも後半でも登場する「人を食うモノ」の正体
の2点でしょうか。
それ以外は、割としっかり書かれていた気がします。
(後半のラスト、「なぜカネコさんの妹の手術はあんなふうに失敗したのか?」という答え「死への羽ばたき」が若干理解しにくかったですが、脳の変化を見るためにガラス管を入れたからなんですね…)
2点に関して、あくまでも私の読んだ印象で拙い考察を書かせていただきます!
①ですが、前半でも後半でも集落の人々は山を介して天にいるナニカに人身御供を捧げていたと考えると、瀧来集落にいるモノと高山集落にいるモノは同じ存在なのではないでしょうか。
特に、どちらも聖書が引用されていることを考えると、同じ存在のように思えます。
聖書における「主」は唯一の存在なので…
そう考えると、②も自ずと答えが出ます。
そもそも、瀧来地方で異物を降らせるナニカは、旧約聖書でマナを降らせた存在と同一である(=主である)ということが示唆されています。
…かなり冒涜的な物語ですね、、、
いや、あくまでも私の考察なので当たっているかは分かりませんが💦
どちらにせよ、旧約聖書に登場する主からの恵みが人肉であったという示唆はされているわけで、
かなりショッキングな内容です。
モキュメンタリーホラーは考察が楽しい!
最後まではっきりと書かれていないことが多かった『堕ちた儀式の記録』。
しかし、その分考察が捗り、真相を考えるのは楽しい体験でした!
また色々考察しがいのあるホラーと出会いたいです。
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

コメント