全く本を読んだことがない社会人2年目が読書を始めてみるというこのブログ。
93回目は円城塔さんの『道化師の蝶』について書いていきます。
円城塔作品は『コード・ブッダ』『去年、本能寺で』『文字渦』に続き4冊目!
読んだ感想を書いていきます。
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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円城塔著『道化師の蝶』を読んでみた
2007年「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞を受賞しデビューした円城塔さん。
本作『道化師の蝶』の表題作は芥川賞を受賞しています。
少し変わったものが多い円城塔作品ですが、本作も時間軸が円環していたり、一人称である「わたし」がどんどん入れ替わっていたりと、変わった仕掛けが満載です。
続編なのか解説なのか、繋がりが多様に解釈できる別短編「松ノ枝の記」も収録されており、短編同士の関係性も楽しめます。
一見難しくて深く考えると深淵に入り込んでしまうのですが、まずは軽く読んでみると、意外とリズムが身体に馴染んできて読み切れたりするので、難しく考えないのが円城塔作品を読むコツかもしれません。
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
希代の多言語作家・友幸友幸は、相次ぐ転居生活を通して数十の言語を使用した数多の原稿を残している。いちいちの場所で、主にその国で用いられる言語を使い、秘かに文章を書き続けたものらしい。友幸友幸の追跡を続けた実業家A・A・エイブラムスが設立した施設記念館のエージェントであるわたしは、網を振り回し捕獲物を郵送することを仕事としている。旅の間に人の体を離れて遊離する着想を捕まえて入手し、友幸友幸発見への足がかりを得ようということらしいが、施設記念館の本当の目的は未だ分からない……。
お話の本筋だと思っていたストーリーが実は作中作だったり、作中作で起こっていたことが現実(だと思われる部分)でまた起こったり……
読者を煙に巻こうとしているのかというほど入り組んだ構造の小説ですが、なんとなく全体を読んでから鴻巣友季子さんの解説を読むとそういう構成だったのか!となります。
個人的に鴻巣友季子さんの解説がちゃんと解説をしてくれているのでお気に入りです笑
解説から読んでみると何が書かれているのか分かりやすいかもしれません。
【ネタバレ注意】読んでみた感想
円城塔節は健在ながらも、結構真面目だな(?)と感じました!
『腕が三本ある人への打ち明け話』や『逆立ちする二分間に読み切る本』など円城塔節が感じられるワードが多数出てくるので、安定に円城さんは円城さんなのですが、『コード・ブッダ』や『去年、本能寺で』と比較すると真面目に文学をやっている印象があります。
なにより、お坊さんがAIアイドルだったりしないので……
真面目な分、「翻訳とはなにか?」とか「書くとは?」「読むとは?」というようなテーマ性が前に出ていて分かりやすかったので、比較的読みやすいかもしれません。
個人的にはふたつの短編のうち「松ノ枝の記」の方が特にお気に入りで、希望が感じられて良かったです!
人間は真実すらも書き切ることはできないけど、書ききれなかったものをむしろ翻訳していく過程で解放していくことができる場合があるかもしれない。
わかるようでわからない主張だけど、とにかく希望があることはわかります。
冗談の大きな円城塔作品
「松ノ枝の記」で一連の出来事を仕組んだ男。
ある女性を救うために主人公と途方もないイタズラのような翻訳劇を仕掛けた人物です。
その人物に対し、主人公は以下のように語ります。
海面に佇む嶮しい顔には、実は弾けるような笑みが隠されている。冗談を本気で行うものは、自分から笑い出すことは許されない。冗談が大きければ大きい程。
これは結構、円城塔さんの作品全体に通じる態度じゃないでしょうか。
『コード・ブッダ』とか『文字渦』とか、真面目なフリしてとんでもないイタズラを仕掛けてきている、という印象だったのですが、まさにという感じですよね。
こういう真面目な顔したとんでもない冗談が円城塔作品の魅力なのかな、と感じています!
まだ4冊目ですが、これからもどんどん読んでいきたいです✨
残り5冊!
目標の100冊まで、残り5冊。
いよいよカウントダウンができそうですね!
ゴールデンウィークで出かけるのに忙しいですが笑、ちゃんと目標まで走り抜きたいと思います。
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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