【73冊目】『十二国記 魔性の子』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。

72回目は小野不由美さんの『十二国記 魔性の子について書いていきます!

十二国記シリーズのはじまりとなった作品で、第0巻にあたります✨

十二国記はどのようにして始まったのか……

読んで感想を書いていきます!

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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小野不由美著『十二国記 魔性の子』を読んでみた

全世界累計1300万部を突破している大人気ファンタジーシリーズ、「十二国記」。

約35年前、新潮社のホラーレーベルで刊行された全ての始まりの作品が本書『魔性の子』です。

シリーズの続刊が出るまではファンタジー小説というよりはむしろホラー小説として読まれていたというのも納得の惨さ、、、。

十二国記はこの0巻から読むか、1巻の『月の影 影の海』から読むかでかなり印象が変わるらしいのですが、確かに全然違いそう。

私は1巻から読んだので十二国記=艱難辛苦を乗り越える成長の物語というイメージがありますが、『魔性の子』から読むと世界の理不尽さとか、やるせなさが前に出そうだな、と感じました。

十二国記シリーズの背景を知らないで読むとひたすらしんどそうな0巻でした。

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

教育実習生として母校に戻ってきた広瀬は、クラスにひとり異質な存在を認識する。彼の名前は高里。不良というわけでもなく、大人しい品行方正な少年なのに、なぜか周囲から遠巻きにされている。なんでも、高里は「祟る」らしい。高里と同じ地元出身の制度によると、幼いころ1年間「神隠し」にあい、その間のことを一切覚えていないらしいが、それ以降彼を害する人間はことごとく酷い目に合ってきたのだとか。実際、高里の周囲には人死が多い。高里に同じ「故国喪失者」としての共感を抱いた広瀬は周囲でおこる事故を偶然だと判じるが、だんだんとその規模が大きくなるにつれ、彼の周囲にある異形の存在を認めないわけにはいかなくなり……。

物語は教育実習生の広瀬視点で進みます。

「祟る」と噂の少年・高里と、それを崇めたり、敬遠したり、排除したりと様々な反応を見せるクラスメイトたち。

しかし、岩木という少年が高里の噂を払拭しようとして惨い死に方をしたことをきっかけに、はっきりと高里が害のある存在であるという共通認識が出来上がっていく……。

広瀬はなんとか高里を庇おうとするが、やがて事態は集団暴行からマスメディアを巻き込んだ大事態にまで発展してしまう--。

高里とその周囲にある存在の正体を知っている「十二国記」読者としてはひたすらやるせない物語ですが、正体を知らないと結構なホラーです。

【ネタバレ注意】読んでみた感想

ここに来て、物語的には1番しんどい、、、。

今までも途中途中しんどい巻はありましたが、最後に絶対報われるのが十二国記だと思っていたので、、、。

何がしんどいって、ここまで大量に人が死んでいて、何もハッピーエンドになってないし、誰も報われていないところですかね。

人が死んでいる以上完全なハッピーエンドはありえないわけですが、それでもこの物語の最後に証明されるのは、単なる「相容れないという事実」であるというのは、あまりにもやるせない。

高里のそばにいる異形の存在は、ただ認識の齟齬から高里の周囲にいる存在全てを「敵」と認識し、それを排除することしか考えていない、言わば自動的な殺戮兵器。

一方、高里の周囲の人々は高里の周りにいる異形の存在なんて見えないし、高里の意思で事故を起こしているんだと考え、排除に走ってしまう。

こんな悲しいすれ違いが、相当な被害を起こしてしまうのが読んでいて辛い。

高里を助けようとした少年も、激励しようとした先生も、愛していた親も、みんな善意の行動から「敵」と認識され、排除されてしまうから、高里はどこまでも孤独です。

でも、高里を排除しようという気持ちは分かるし、実際自分がクラスメイトだったら、高里の存在は怖いし許せないだろうな……。

高里の唯一の理解者だった広瀬が最後の最後、理解者では有り得ないんだと突きつけられる場面もやるせないものがありました。

広瀬の恩師である後藤が言ったように、広瀬の「故国喪失」は現実逃避でしか有り得ないんですよね。

根本的に異質な存在である高里の理解者にはなれない。

お伽噺だよ、広瀬。生きることは時々辛い。人はどこかに逃げ込みたいんだ。それは分かる。お前がお伽噺に逃げ込む気持ちはな。他人の迷惑になるわけじゃねえ。悪いことだとは俺も言わない。--それでも人は現実の中で生きていかなきゃならないんだ。現実と向き合って、どこかに折り合いをつけていかなきゃならねえ。罪のないお伽噺でも、いつかは切り捨てなきゃならないんだよ。

ここから逃げれば居心地のいい世界があるんだと思ってる。誰もが理解してくれる、自分のための都合のいい世界が。

誰もが抱いている幻想だから特別なことじゃないし、それが叶うことはないんだと突きつけられてしまうのは辛いですよね。

そうして最後、帰っていく高里に「俺を置いていくのか」と叫ぶ広瀬が、どうか報われますように……。

0巻から読む?1巻から読む?

十二国記シリーズは、0巻の『魔性の子』から読むか、1巻の『月の影 影の海』から読むか、読む順番によって大きく印象が変わってきます!

『白銀の墟 玄の月』の4巻を除くシリーズ11冊を読んだ現時点での私のおすすめは、まず1巻である『月の影 影の海』から読むことでしょうか!

なぜなら、背景を知らずに読むとあまりにも『魔性の子』が辛すぎるから……。

ファンタジーシリーズとしてではなく、まずは純粋にホラー小説として『魔性の子』を読みたい!という方や、刊行順で読みたいという方は0巻の『魔性の子』から読んでみてください。

私と同じく、あまりにもしんどい物語は辛い、、、という方はぜひ一緒に1巻の『月の影 影の海』から読んで少しでもショックを減らしましょう……。

もちろんどこから読んでも素晴らしい作品なので、気になった巻から読んでみるというのもいいかもしれません。

基本的にはどこから読んでも読み難いということはないはずです!

ここからは『白銀の墟 玄の月』へ……

次回からはいよいよ、シリーズのラストスパート!

『白銀の墟 玄の月』全4巻です✨

これまで11冊読んできて、あと4冊で終わってしまうのか……と考えると少し寂しいですが、戴国の行方を見届けたいと思います。

次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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