【67・68冊目】『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編・SISTER編』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。

67回目は井上真偽さんの『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編・SISTER編について書いていきます!

全く同じ事件について書いてあるふたつの本。

同じ事件なのに、解決が異なるらしい…?

ミステリー好きの知人に勧められた本part7。

2冊を読み比べるタイプの作品ということで、新しい読書体験ができそうです

読んで感想を書いていきます!

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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井上真偽著『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編・SISTER編』を読んでみた

『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞してデビューした井上真偽さん。

本作『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編』と『ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編』は、一風変わったミステリー小説となっています。

というのも、この2冊は全く同じ事件を扱っているにもかかわらず、全く異なる結論にたどり着くんです

読み比べるのが楽しい作品ということで、2作を一気に読んでみました。

文体がとても読みやすく、日常の謎から犯罪まで、兄弟・姉妹が力を合わせて解決するまでのハラハラ感が楽しいのはもちろん、一章終わるごとに片方と読み比べるという体験がとても楽しかったです

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

ぎんなみ商店街の中にある、「袴田商店」という老舗に、トラックが突っ込むという事故が起きた。幸いお店の被害は大きくなかったものの、トラックの運転手は焼き鳥の串が喉に刺さって即死。しかも、トラックの中はビール臭く、たまたま事故現場を目撃していた小学生・良太は助手席から降りてきたらしい人影を目撃しているという…。事故のあとから末っ子・良太の言動がおかしい原因を突き止めるため、元太・福太・学太の兄弟3人は事故の調査をはじめる!

ぎんなみ商店街にある老舗・袴田商店にトラックが突っ込んだ事故を、兄弟たちは事故を目撃した末っ子の様子がおかしい原因を突き止めるため、姉妹たちは運転手の死因が焼き鳥の串であったことから実家の焼き鳥屋への風評被害が起こったため、それぞれ調べ始めます。

「BROTHER編」に登場するのは、絵本作家だった亡き母親を慕う4人兄弟で、上から順にフレンチレストランで働く元太、高校生の福太、中学生の学太、小学生の良太。

一方、「SISTER編」に登場するのはぎんなみ商店街の中にある人気焼き鳥屋の娘たち。上から順にフリーターの佐々美、高校生の都久音、小学生の桃。

それぞれが同じ事件を調査するものの、たどり着いた結論は全く違っていて…。

2冊とも読んで始めて事件の全体像が見えてきます!

【ネタバレ注意】読んでみた感想

はじめての体験ができて楽しい読書でした!!

全く同じ事件、全く違う結論。

それでも、どちらかが間違っているということではなく、兄弟たち・姉妹たちに見えているのが事件のひとつの側面でしかないという構図が凄く考えられているな〜という印象でした

確かに、現実の事件でも私たちに見えているのはひとつの側面に過ぎないのかもしれませんね。

BROTHER編で積み残した謎をSISTER編で、SISTER編で積み残した謎をBROTHER編で解決してくれるので、一章読むごとにもう1作に手を伸ばしたくなります!

そして、兄弟にも姉妹にも共通するのが、家族への愛情と、そんな家族が長年過ごしてきた商店街への愛情。

良い人も悪い人もいるし、良い人にも悪い人にも良い側面と悪い側面両方あるけれど、それも全てごちゃごちゃになった商店街という存在そのものへの愛情に溢れていました

「SISTER編」では悪い人に見えていた人が「BROTHER編」では良い人に見えていたり、逆もそうだったり…。

事件だけでなく、人間にもいろいろな側面があって、両方見なければ全体を理解した、なんて言えないんだろうな!ってことが伝わってきました。

そして、事件を通して接近していく兄弟たちと姉妹たち。

三男・三女の学太くんと桃ちゃんは既にいい感じですが、個人的には長男・長女の元太と佐々美を推したい…!

「貧すれば鈍する」という言葉の通り、行く先が怪しくなっているぎんなみ商店街の未来とともに、兄弟・姉妹の恋のゆくえが気になります♡

続編も出ているので、そこの進展に期待したいところですね!

良い人・悪い人

この本を読んでいて1番いいな、と思ったのが、良い人と悪い人をはっきり書き分けていないという点です。

例えば、2章で登場する中学校の書道部メンバーたち。

「BROTHER編」では良い子に見えた子が「SISTER編」では悪い子に見える。
そして、逆もまた…。

見方や相手、時と場合、切り取り方によって、人は良い人にも見えるし、悪い人にも見えるっていうのがよく分かりました。

そして、だからこそ響く兄弟たちの母親が遺した言葉。

「世の中に、良い人なんていない。
なぜなら人間誰しも、我が身が一番可愛いから。肝心なのは、我が身可愛さのもとで、その人がどういう人間になろうとしているか。その方向性を決めるのが、良心--」

世の中に良い人なんていないけど、良く行動することはできるし、そうしようとしている人を見つけることはできる。

「この人は良い人だなぁ」とか、「この人は悪い人なんだ」とか、その人が生まれつき良いか悪いかと考えるのではなく、「今この人は良く動こうとしているんだ」「今この人の動き方を決めている良心は、私にとって悪く見えるものなんだ」と考えられたら、人生ちょっと生きやすくなりそうですよね。

兄弟たちの母親の言葉が意外と(?)深いのも、本書の魅力です。

SISTER編・BROTHER編どちらから読む?【順番】

2冊読み比べる作品はどっちから読むか悩みますよね!

私は今回BROTHER編から読みましたが、SISTER編から読んでも楽しそう♪

全体の黒幕がわかるのがBROTHER編なので、おすすめはSISTER編→BROTHER編という順番ですかね!

そして実はこの『ぎんなみ商店街の事件簿 BROTHER編』『ぎんなみ商店街の事件簿 SISTER編』、既に続編が出ているんです!

既に入手済み(というか借りた)ので、早速読んでいきたいです。

兄弟たち・姉妹たちの仲に発展はあるのか…ドキドキ。

次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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