【62冊目】『禁忌の子』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。

60回目は山口未桜さんの『禁忌の子について書いていきます!

ミステリー好きのおすすめpart3!

初の「医療ミステリー」です✨

読んで感想を書いていきます!

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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山口未桜著『禁忌の子』を読んでみた

第三十四回鮎川哲也賞』を受賞してデビューした山口未桜さん。

その受賞作である『禁忌の子』は、本格ミステリー×医療ミステリーの傑作だそう!

最後に収録されている選評を読んでも、候補作の中で圧倒的だったことが分かります。

デビュー作にして2025年本屋大賞にノミネートされるなど、絶賛の声が多数寄せられいる本作。

前情報一切無しに読み始めたのですが、「生殖医療」というかなり重いテーマを扱っていて、凄く真剣に読まされました……。

全く医療系の知識がなくとも読めるのですが、何も知らなかった自分を恥じる最後です。

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

兵庫県で救急科医師を勤める武田航のもとに、ある日運び込まれた水死体。一見なんの不審もないしたいであったが、容貌や体型、体毛まで航と瓜二つであった。気味の悪さに不安を感じる航を見かねた看護師・小宮山は、同じ市民病院に勤めるキレ者と噂の消化器内科医師・城崎響介に相談することを勧める。中学時代仲の良かった過去を持つ航と城崎は、妊娠中の航の妻・絵里香に負担をかけないよう、秘密裏に航とそっくりの水死体・キュウキュウ十二の正体を探る……。

救急車で運ばれてきた身元不明の死体が、自分とそっくりだった!?

顔だけなら他人の空似で済ませられるものの、似ていたのは顔立ちだけでなく、体型や体毛の生え方まで……。

しかし、戸籍や母子手帳を確認しても航に生き別れの兄弟がいた形跡はない。

キュウキュウ十二は何者なのか?航とどんな関係にあるのか?

ソシオパスであるものの頭脳は1級品の元クラスメイト・城崎とともに、航はキュウキュウ十二の正体解明に乗り出す!

双子の遺伝子的種類や生殖医療の技術など、医療的に非常にロジカルなミステリーでした。

【ネタバレ注意】読んでみた感想

かなり「重い」と感じた作品でした……。

タイトルの「禁忌の子」という言葉の意味が、重すぎる……。

生殖医療がメインテーマになっているのですが、自分があまりにも生殖医療に関する問題に無知すぎて、、、

主人公である救急科医師・航と城崎が航とそっくりの水死体の身元を探っていくうちに、ひとつの不妊治療を中心としているクリニックにたどり着くのですが、

そこで待っていたのは、もうひとつの死体

密室の中で首を吊っていた、航の生誕の秘密を握るクリニック理事長・生島京子の死体は、新たな謎を航と城崎に突きつけます。

この密室殺人トリックや、瓜二つの人間が存在する秘密に関する謎解きがミステリーとしてすごく面白いのはもちろん、何よりも真犯人の動機が凄かったです。

そして、真犯人が分かってしまった後の航の決断も、その決断で良かったのか考えざるを得ないものでした。

ただ、選評にもあった通り何度考えても「この結末以外ありえない」という結論になってしまうんですよね、、、

非常に賛否の別れる結末だと思います。

しかも、ミステリー的なロジカル部分の賛否でも、物語としての出来云々の賛否でもなく、感情論に近い賛否の別れ方をしそう

結局各々の倫理観によって結論づけるしかない、というラストシーンでした。

子どもを望むのは親のエゴか。

ネタバレになってしまうかもしれませんが、本書の中心となっているテーマには、「生殖医療の倫理」というものがあります。

非配偶者間人工授精の問題や、子どもの「知る権利」の問題、そして、そのように生まれた子どもと親の間の関係性について……。

物語の途中、子どもを渇望した両親のもとに非配偶者間人工授精によって生まれた子どもが、結果的にその両親によって肉体的・精神的虐待を受けるシーンがあります。

子どもを望んだはずなのに、望まれて生まれてきたはずの子どもが幸せになれない。

このストーリーを読むと、子どもを望むことは非常に身勝手なことなんじゃないかと思ってしまいました。

我々は、子供を持ちたいという夫婦の願いを叶えることばかりに気をとられていて、産まれてくる子供たちの権利を、人権を、あまりにも蔑ろにしてきたのではないか。

私は、この本を読むまで日本は生殖医療に関する法整備も倫理に関する議論もあまりにも進んでいないということすら知りませんでした。

これから考えていきたいと月並みなことを思っていたりしますが、その中でも生島理事長の意思を継ぐ息子・蒼平の言葉は、忘れないようにしたいです。

生殖医療は、何よりも、産まれてくる子供のためにあるんじゃないかと。

ラストシーン、産まれた「禁忌の子」が、作中で消えない傷を付けられてしまう少女と同じ傷を負わないよう、切に願うばかりです。

医療ミステリーに初挑戦!

本書を読むまで、「医療ミステリー」という言葉をイマイチ理解していなかったのですが、『禁忌の子』を読んで、なるほど!と思いました。

作者である山口未桜さんは現役のお医者さんなんだそうで、その経験が活かされてるのを読むのはすごく楽しいです。

続編も本書と一緒に借りているので、早速取り掛かりたいと思います!

次回もどうぞ、よろしくお願いいたします!

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