全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。
52回目は小野不由美さんの『十二国記 月の影 影の海』について書いていきます!
十二国記シリーズ第1巻!
上巻を読み終えたとき、中断できなくてそのまま下巻まで読んでしまいました。
とても素晴らしい小説だったので、その魅力を伝え切れるか不安ですが、感想を書いていきます✨
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
※Amazonアソシエイトプログラムに参加しています。
小野不由美著『十二国記 月の影 影の海』を読んでみた
全世界累計1300万部を突破している大人気ファンタジーシリーズ、「十二国記」。
アニメ化や舞台化もされ、刊行から30年以上前たった今でも熱狂的なファンが新作を待ち続けているのだとか。
本書『月の影 影の海』は、そんな十二国記シリーズの第1作目です。
シリーズの順番的には1巻となるのですが、実は本作よりも前に書かれた番外編である0巻があるそうで…
どちらから読むか迷いましたが、0巻は番外編とのことで1巻から読むことにしました!
そして、読みはじめたら…
これはもう、最後まで止まれません。
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
女子校に通う大人しい委員長・陽子は、ここ1ヶ月毎日見る悪夢に悩まされていた。暗闇の中で化け物が襲ってくるのだが、日に日にその牙が近づいて来るのだ。寝不足に悩まされ、授業中に居眠りしてしまったことで、陽子の生まれつき赤い髪が気に入らない英語教師に目を付けられ、職員室に呼び出される。そこに突然、金髪の異様な格好をした男性が陽子を連れ出そうと現れる。夢の中だけだった化け物たちも現実に現れ、陽子に襲いかかる中、男性は陽子を連れて屋上へ逃げ込んだ。そして、陽子に無理やり剣を握らせると、奇妙な騎獣に乗せ、海の中へ疾走する…。
平凡な日常のはずが、突然現れた金髪の男性によって連れ去られ、異世界に飛ばされてしまう陽子。
災いをもたらすものとして捕らえられたり、騙されて妓楼に売られそうになったり……
とにかく辛いことが連続して襲いかかる中、陽子は自分のいた世界、自分の住む家に帰ることを諦めず、戦い続けます。
頼りになるのは、奇妙な男性から渡された剣と、傷を癒す不思議な珠のみ。
襲いかかる妖魔を切りつけながら、陽子は生きる道を探す--というストーリー。
陽子はもちろん、理不尽に拉致され虐げられる現実に憤りますが、読者である私も「なんで陽子がこんな目に遭わなければならないの!」と叫びたくなるほど辛いことばかり…
やっと下巻で救いが見つかるまで、本当に辛いことの連続でしたが、その過程にこそ意味があったんだと、読んだ後にわかりました。
【ネタバレ注意】読んでみた感想
いやぁ…すごかったですね…
もう感情がジェットコースターです。
最初の方、校内のいじめに笑って迎合したり、親の理不尽な言いつけに唯唯諾諾と従う陽子にイライラさせられ、
中盤では異世界である十二国記の世界に飛ばされて、何もしていないのにどんどん辛い目にあう陽子の姿に一緒にしんどくなって理不尽に憤り、
そしてそんな中でも自分の弱さ・醜さを直視して責任ある行動を取れるようになった終盤の陽子の成長に号泣し、、、
なんかすごい小説をよんだぞ、となってます。
興奮が覚めません。
ていうか、ただの女子高生だったと思えないくらいに、陽子が強すぎる。
物理的な意味ではなく、精神的な意味で。
毎日現れる猿に「死んでしまった方が楽だ」と言い聞かされ、実際に「死んでしまった方がマシだ」というほど辛い環境にあって、それでも生きることを選択した陽子。
それでもここで諦めるぐらいなら、もっと前に諦めてしまえば良かったのだ。
死んでいた方がましだったというのなら、そもそもの最初、学校の屋上で蠱雕に襲われたときに死んでいれば良かったのだ。
死にたいのではなく、ここで諦めたくないのだと前を向く陽子の強さ。
生きること、その強さを見せられました。
そして、下巻で楽俊と出会い、ずっと人を疑っていた自分の醜さに直面する場面。
追い詰められて誰も親切にしてくれないから、だから人を拒絶していいのか。善意を示してくれた相手を見捨てることの理由になるのか。絶対の善意でなければ、信じることができないのか。人からこれ以上ないほど優しくされるのでなければ、人に優しくすることができないのか。
瀕死の自分を家に連れて帰り、バレたら処罰されるとわかっていながら匿って看病してくれた楽俊。
それなのに、捕まることを恐れて怪我をした楽俊を見捨てて逃げ出した陽子は自責の念にかられ、懊悩します。
何ヶ月も他人に殺されかけ、騙され続け、奪われ続けながらも、自力でこの結論に辿りつけることが、陽子の強さの証明なんだと、強く思いました。
他人なんてどうなってもいい、という思考になったとしても誰も責められない環境なのに、楽俊のために戻ることを決断した陽子は、だからこそ「王」なんですね。
王になる、という決断について
最後、自分が景国の新王であるということを突きつけられる陽子。
麒麟と呼ばれる神獣に頼めば元の世界には帰れるけれど、その代わり景の国が荒廃し、民の命が失われるという選択を突きつけられます。
そんな問いに、すぐに答えを出せない陽子。
人を裏切り、人を傷付け、人から奪ってきた獣のような自分に王たる資格はあるのかと自問自答します。
そして、最終的には王になるという決断を下すわけですが、その自分にはできないという苦しみこそが王たる資質なのではないか、という楽俊の言葉が刺さります。
それにしても、十二国記の王政ってすごい制度ですよね。
神が王を選び、良い政治をするうちは何百年でも生き続けるが、逆にそうでなくなった瞬間、死ぬしかなくなるなんて…
そんな条件の中で、死にたくないから、ではなく、民をこれ以上苦しめないために王になると決断した陽子は、本当に最初の影も見えなくなるくらい成長したんですね😢
そして、王になる資質が陽子にある、というのも凄くわかる…
陽子の旅の途中、騙して妓楼に売り飛ばそうとしたおばさんも、同じ海客でありながら陽子の所持品全てを奪って逃げたおじいさんも、全然悪人という訳では無いと思うんですよ。
それが縋れる神様のいない世界の人間の普通、というだけで。
そんな人たちを見て、その醜さを自分の中に見て、それでも正しく生きようとする陽子だからこそ、これからの景国は良い国になるんだろう、って思えますよね。
目を逸らす資格はない。むしろちゃんと直視しなければいけない。愚かな自分から目を逸らしたら、きっとどこまでも愚かになる。
この言葉、胸に刻んで生きていきたいです。
シリーズ全部読みたい!
なんと「十二国記」シリーズ、7年ぶりの刊行が決定しているようです!!!
新作の刊行は、今年の9月17日。
それまでになんとか、全巻読み切りたいですね…!
陽子の統治する国も見たいですし、解説にあった他の国の物語も読みたいです✨
次回もどうぞよろしくお願いいたします!

コメント