全く本を読んだことがない社会人2年目が読書を始めてみるというこのブログ。
81回目はアンブローズ・ビアス著/西川正身訳『新編 悪魔の辞典』について書いていきます。
津村記久子さんの『やりなおし世界文学』で紹介されていて、「おもしろそう!」となったのをようやく読むことができました✨
読んだ感想を書いていきます!
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
※Amazonアソシエイトプログラムに参加しています。
ビアス著『新編 悪魔の辞典』を読んでみた
アメリカで生まれ、南北戦争で従軍後、役人や地図作成探険隊員を経て週刊誌の編集長・コラムニスト・短編作家として活躍したアンブローズ・ビアス。
ビアスが最も得意とする一連の諷刺コラムをまとめたのが本書『新編 悪魔の辞典』です。
元々『冷笑家用語集』として1906年に出版されたものに1911年刊行の『悪魔の辞典』、著者の死後集められた『増補版 悪魔の辞典』を加え、そこから西川正身さんが日本向けに一般用語だけを選び抜いたのだそう。
五十音順に並べられている単語にビアスなりの語釈をつけたもので、体裁的にはまさに辞典。
英語どころか、訳された日本語にもなにそれ!?的な用語が多く、難しいは難しいですが(やっぱり古典なので…)、
フフッと笑えたり膝を打つような表現があって、ビアスなりの世界の見方を楽しむことができました!
内容紹介
本書『新編 悪魔の辞典』は、その名の通り辞典です。
日本語版では、五十音順なので、あ行~わ行まで
「愛国者」からはじまり、「笑い」で終わる約720の単語があげられています。
旧版が約430語を収録していたので、大幅に増補されたことになりますね!
主に扱っているテーマは、以下の通り。
(一)政治・経済
(二)法律
(三)宗教
(四)戦争
(五)文学
(六)女性
(七)人間性
(八)言語
(九)神話その他
読んでみた感想・読んで考えたこと
津村記久子さんの『やりなおし世界文学』の中で、「酒場で出会ったやけに言説が鋭いおっさんの話」と紹介されていた本書。
…まさに、その通り笑笑
実はすっごいロマンチストで、理想を持っていたのに、それがことごとく裏切られて人間嫌いを拗らせて「なんで周りのヤツらはわかってくれないんだ!」とクダを巻いている頭のいいおじさん感。
普段みんながうっすら思っているけどなあなあにして毎日をやり過ごしていることに対して、「いちいち食ってかかっている」。
たぶん、人よりも他人のことが本当に好きで、確固とした理想があるロマンチストなんですよね…
だからこそ、ビアスが思うほど色々考えて生きているわけではない人たちに毎日失望して、クダを巻いてしまう笑
自分を批判した人間たちをボロクソに言ったり、女性に対して「絶対過去になんかあったやろ…」ってくらい口汚かったり。
人間味溢れる辞書でした。
岩波文庫の『新編 悪魔の辞典』は1997年と私が生まれるより前に書かれているのでちょっと言葉が固い印象でしたが、
(「妻のろ」って何?)
それでも最後まで読みきれたのはきっとビアスの「良い人でもないけど、悪い人でもないんだよなー」感のおかげです笑
お気に入りの語釈
この本はきっと、お気に入りの語釈を見つけてほくそ笑みながら読む本のはず!
ということで、いくつか私のお気に入りをご紹介します。
まずは、「過ち」から。
当方の犯す違反の一つであって、他人様の犯す違反の一つとは区別されている。というのも、後者は犯罪であるからだ。
確かに笑笑となりますよね。
自分のしたことは「一時の過ち」だけど、他人がやったらただの犯罪行為。
ビアスの時代から、ずーっと変わっていない人間の性質です。
また、「仲裁」から。
問題のそもそもの発端である論争の代りに、その論争をどのような方法で解決に委ねるか、その方法について当然怒らざるを得ない数多くの意見の相違を持ち出すことによって紛争をかえって助長させる近代的な工夫。
絶対に過去に下手な人に仲裁されて拗れたことがある(確信)。
この「近代的な工夫」というのが皮肉でいいですよね笑
そして、最後に「一年」。
三百六十五回の失望から成る一期間。
ああ、毎日失望してるんだこの人…
少しビアスが愛おしくなります。
ビアスの人間性が見えるからこそ、色々なものに悪態を吐きながらも色々な人から愛されている本なんですね。
岩波文庫に初挑戦!
今まで、「難しそう…」という理由で避けていた岩波文庫。
本書『新編 悪魔の辞典』も装丁からして高尚で、ちょっと初心者には近寄り難い雰囲気があります。
確かに中身は格式高く、難しい単語が多かったのですが、ひとつ読み切れたというのは大きな一歩です!
岩波文庫を読んでる人間、ちょっとカッコよくないですか?笑笑
他の岩波文庫にも挑戦していきたいです!
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

コメント