全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。
46回目は島田荘司さんの『改訂完全版 占星術殺人事件』について書いていきます!
なんと、「新本格」ムーブメントを引き起こした歴史に残る名作なんだとか。
最近ミステリー熱が高いので、とても楽しみです♪
読んで感想を書いていきます!
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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島田荘司『改訂完全版 占星術殺人事件』を読んでみた
『占星術殺人事件』でデビューし、ミステリー界だけでなく文壇全体を騒然とさせたミステリー作家・島田荘司さん。
本作『改訂完全版 占星術殺人事件』は、そのデビュー作に著者本人が手を加えた完全版です。
具体的には、発見された死体の表が加えられた他、作者の経験により加えてるべきと判断された諸々の知識の補強や、殺害描写の加筆修正など、計4箇所の改訂が加えられています。
全集や講談社ノベルスにも収録されているそうですが、そこから講談社文庫に収録されるにあたって、若干の加筆が加えられているそうです。
ミステリーは子供のもの、とされ低迷していた1980年代に発表され、「新本格」として再度ミステリーを復興させた本作は、綾辻行人さんの『十角館の殺人』と並んでレジェンド的立場とみなされているんだとか。
友人に「これからミステリーを読むなら、早めに読んでおいた方がいい」と言われたので、手に取ってみました。
前評判に違わず、非常に精緻なロジックがおもしろかったですし、憧れの「読者への挑戦状」と出会えてテンションが上がりまくりの読書体験になりました✨
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
フリーのイラストレーターである私は、友人の占星術師・御手洗潔の元に持ち込まれた「新たな手がかり」により、日本中を騒がせたある事件の調査に乗り出す。その事件とは、40年前に起こった「梅沢家・占星術殺人」である。梅沢家の戸主・平吉が密室の中で殺害された後、6人の娘が平吉の残した手記の計画通りに殺害され、全国にバラバラに埋められた事件である。当時、関係者全員のアリバイが証明されており、事件は迷宮入りとなっていた。しかし、今回御手洗の元に6人の娘を埋めてまわったという人間の手記が届けられた。最初乗り気でなかった御手洗は、手記を書いた人物の息子であり、現役の警察官である竹越に「1週間で事件を解決する」と宣言してしまい、本格的に推理を開始する……。
40年以上前に迷宮入りした「梅沢家・占星術殺人」を解決する、というミステリー。
6人の娘の死体を継ぎ接ぎして完璧な「アゾート」を作り出そうとしていた梅沢平吉。
しかし、彼は自身のアトリエの中で何者かにより殺害されてしまう。
にも関わらず、平吉の死後、平吉の手記に記してあった予定通りに娘6人は殺害され、死体の一部が切り取られた状態で全国に埋められた。
一体誰が平吉を殺し、その後を継いで殺人を実行したのか……?そして、できあがったアゾートは今どこに……?
占星術師という肩書きを持つ探偵・御手洗潔の推理が、助手役である「私」によって記録され、語られるという王道のミステリー形式で、作中にはなんと2度も「読者への挑戦状」が突きつけられます!
【ネタバレ注意】読んでみた感想
何やら黒魔術的な手記(梅沢平吉が残した犯罪計画を綴った手記)で始まるので、最初は面食らってしまい、なかなか読み進められませんでした💦
しかし、「梅沢家・占星術殺人」のあらましが語り手である「私」によって全て整理され、更には無礼な警官・竹越の登場によって俄然やる気となった御手洗潔の推理に引き込まれたことで、中盤からはノンストップ!
御手洗潔は、「なにかひとつ、簡単な見落とし」によって全てが過剰に入り組んだパズルになってしまっている、といい、ずーっとその「なにかひとつ」に頭を悩ませます。
そんなの、読んでいるこちらとしてもすごく気になるじゃないですか!
しかも、ミステリー小説界隈では「見つけたら確実にテンションの上がるもの」と名高い「読者への挑戦状」が冒頭と作中2回、計3回登場するんですよ?
今さら言うまでもないが、読者はすでに完璧以上の材料を得ている。また謎を解く鍵が、非常にあからさまなかたちで鼻先に突きつけられていることもお忘れなく。
こんなことを言われたら、全くわからないながらもちょっとは考えてみよう!となりますよね。
しかも更にヒントを出されて、<第二の挑戦状>も突きつけられます。
これは解決編を見るまでは読むのがやめられない。
そして、肝心の事件の真相を読むと、確かに事前情報だけでわかるようになっているんですよね。
いや、読者の年齢によっては不利かもしれませんが。
最後の最後には人情的なストーリーもあり、まさに歴史に残る名作ミステリー小説!ですね。
私は一部の謎だけ解けたのですが、それもこれも似たようなトリックのドラマを見ていたから。
しかし、よく考えればそのドラマの元ネタは多分この小説ですよね。
友人が言っていた「これからミステリー小説を読むなら『占星術殺人事件』は早めに読んでおいた方がいい」というのは、こういうことだったのかもしれません。
【読了後推奨】事件の真相と犯人の動機について
※ここからは読み終わった方向けに書いていくので、未読の方はご注意ください!
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
皆さんは島田荘司さんからの挑戦状に、応えられましたか?
ちなみに私は、第二の挑戦状の直前にバラバラにされた死体の理由についてはわかりましたが、そこから犯人を導き出せませんでした。
でも、普通に考えて頭が見つかってない人間が犯人なのは当たり前ですよね笑笑
あと1歩というか、肝心なところで躓きました笑
犯人の動機については、分からなくもない、といったところです。
しかし、親孝行が根付いていた時代背景的なものもあって、ということなんでしょうか。
御手洗潔が謎解きパートで「現代であれば通用しない」と言っていますが、たしかにいろんな面で全然だから成功したトリックですよね。
ただ、女1人でもできると言っていた点については少し疑問です。
死体って思ったより重いって色んなドラマや漫画で見かけますが、5人の遺体を解体して押し入れに収納する、というのをほぼ一日で女一人ができるものなんですかね?
火事場の馬鹿力かもしれませんが、実際にやるとなったら大変そう。
そこまで日頃5人の妹に虐げられてた恨みと、母親への愛情が強かった、ということでしょうか……
なかなか辛い最後でした。
御手洗潔が登場する作品は、なんと50作以上!!
カバーの袖に書かれている著者紹介によると、『占星術殺人事件』で活躍している探偵兼占星術師・御手洗潔は、なんと50作品以上に登場するそうです。
今回作品の大きな魅力であった御手洗潔のキャラクター性がまた味わえるとなると、これは読むしかないですね……。
それにしても、『十角館の殺人』や『占星術殺人事件』など、「新本格」の代表的な作品がどちらも講談社文庫、というのは凄いことですよね!
今まであまり出版社というのを意識してこなかったのですが、これからは好きなレーベルとかも出てきそうです!
次回もどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

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