【9冊目】『正欲』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

こんにちは、ゆあです!

本を読んだことのない社会人一年目が本を読み始めるというこのブログ、9回目となる今回は朝井リョウさんの『正欲』について書いていきます!

※結末に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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朝井リョウ『正欲』を読んでみた

『コンビニ人間』の読了ポストをしたところ、おすすめされた『正欲』。

「正しい欲」とは何か?ということを問う作品で、柴田錬三郎賞を始め様々な賞を受賞・ノミネートされています。

512ページと少し分厚めですが、読みやすい文章で、初心者の私でもギブアップせずに最後まで読めました!

あらすじ

⇓今回もあらすじをまとめました!⇓

児童の性的な動画を撮影・所持したとして、3人が逮捕された。責任のある立場にいた会社員・女性ウケのいいルックスから大学でも人気があった男子大学生・教師。彼らはなぜ、どのように違法な動画を所持するコミュニティを築いていったのだろうか……

児童ポルノ所持等の容疑で3人の男性が逮捕されたニュースから始まり、その3人の逮捕されるまでの人生が遡って語られます。

視点がコロコロ変わるため、最初は章ごとの繋がりがよくわかりませんでしたが、全登場人物が出揃うころにはスラスラ読めるようになっていました!

なぜ「普通」に見えた身近な人が性犯罪を犯してしまうのか……?
冒頭から圧倒される文章です。

【ネタバレ注意】読んだ感想

性的マイノリティの方が主人公の本だと聞いていたので、多様性の話だと思っていたら、どうも違う……?

むしろ、「多様性」という言葉が炙り出す矛盾を書いた本でした。

私の読み方の問題かもしれませんが、この本の結論は「人を見下しているといつか孤独になる」ということでしょうか。

まわりが結婚して、子育てして、そうしていない人でも友達や仲間とコミュニティを築いている。そんな年齢になっても両親以外に深い繋がりを持てない夏月・佳道。

彼らはその孤独を、「水に興奮する」という生まれ持ったマイノリティ性が原因だとしていますが、本当にそうなのかな……?疑問です。

日常で積極的にそのような話をしている訳では無いので、普段接している人の性的対象なんて知らないのですが、それでも問題なく友達にも仲間にもなれます。

コミュニティの性質が違うのかもしれませんが、私には彼らの孤独の原因は彼らが周りを見下して生きていることだと思いました。

佳道はマジョリティのことを「何かしら信念がある集団ではない」と決めつけるし、夏月は自分に「馬鹿にして」と怒ってきた人に対し、”他人の勝手な噂話を丸呑みして不当な怒りをぶつける想像力のない人“というふうに判断します。

でも、マジョリティ側の人だって一人ひとり違う考えを持って生きていて、信念とか、そこまで行かなくても考えがあって生きていると思うんです。
それを一括りにして「考えがない」と思う人とは、そりゃあ一緒にいたくないよな……と思ってしまいます💦

夏月に怒った雑貨屋の店員さんにしても、そのとき聞いた噂話だけで夏月に「馬鹿にして」と怒ったのではないんだと思います。

普段の言動から馬鹿にしてる気配があったからこそ、それが休憩室の会話に繋がったんじゃないでしょうか。

話してるうちに「あ、この人私を下に見てるんだな」っていうの、多分見下してる本人が思っている以上に相手に伝わりますよね……。

逆に、他の人をちゃんと尊敬して「この人となら繋がれるかも」と思えた八重子はしっかりと社会との繋がりを得られている

人と違う部分はみんなあって、だからこそ周りを見下して心を閉ざすのではなく、隠したい部分は隠しながらもちゃんと相手を尊重して開示できる部分は言葉を選びながら伝えようとできる人が最終的には強いのではないでしょうか。

自分の不幸に浸るのではなく、相手を個別の人間としてちゃんと尊敬できる人間になりたいな、思いました。

「多様性」の矛盾について

今回1番刺さったのが、「多様性とは、都合よく使える美しい言葉ではない。自分の想像力の限界を突き付けられる言葉のはずだ」という文章。

確かに、この本を読むまで私は水に性的興奮を抱く人の存在も、その他色々登場したたくさんの特殊性癖の存在も、想像すらしたことのないままま「多様性」という言葉を使っていました。

多様性とは、自分では想像もつかない人がいるんだということを突きつける矛盾した言葉

今回知らない世界をたくさん知ったことで、自分は何も想像できてないんだということを自覚しようという意識が生まれました。

ただ、作中にもある通り「特殊な欲求を持つ人間だからって、何をしてもいいわけじゃない」。

やっぱり規制は必要だし、それが誰かの存在を不当に否定するものにならないように考えていかなければならないんですよね。

令和ももう7年目。
今の状況は「正欲」の舞台となっている令和元年とあまり変わっていないかもしれないけど、それでも3歩進んで2歩下がるようなペースでは良くなっているのではないか、と信じたいです。

付箋がなくなりそう!

5冊目の『コンビニ人間』から印象に残った文章に付箋をつけているのですが、そろそろ付箋が1セットなくなりそうです!(途中で外包が破れて何枚かなくしたのは秘密笑)

付け替えようココフセンがなくなる頃には、何冊になっているのでしょうか✨

楽しみです!次回もよろしくお願いいたします!

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