【3冊目】『成瀬は天下を取りにいく』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

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こんにちは、ゆあです!

本を読んだことのない社会人一年目が本を読み始めるというこのブログ、3回目となる今回は多くの方におすすめいただいた『成瀬は天下を取りにいく』について書いていきます!

各章の結末に触れていますので、未読の方はご注意ください。

『成瀬は天下を取りにいく』を読んでみた

率直な感想としては、とにかく読みやすい!

前回・前々回の『カササギ殺人事件』と比較して、短い時間でスルスルと読めました!
やはり日本の小説のほうが読みやすいのか…?

短いお話が集まっているのも通勤時間で読むのにちょうどよく、「あれ、どこまで読んだっけ?」とならずに済みました笑

現実にいそうで、いたら多分大好きになれるだろう登場人物たち

登場人物みんなが現実にいそうなのに良い人(都合のいい人、ではなく魅力ある人)で、読んでいる間中ずっと楽しかったです(⌒∇⌒)
嫌なところ・欠点もちゃんとありつつも、現実にいたら多分すごく好きになれるんだろうな~。

特に、成瀬と島崎の関係性が等身大の女子中高生すぎて、「わかる~!!!私もこういうことあった!!!」となりました。
ちなみに、私は島崎の方でした笑
変わった天才を一番近くで見届ける人間になりたいし、周囲にもそういう人間だと認識して欲しいよな…。

あらすじ

例のごとく、あらすじをまとめます!

「島崎、わたしはこの夏を西部に捧げようと思う」
同じマンションに住む幼なじみの成瀬が、また変なことを言い出した。この夏で閉店する西武に、毎日通おうというのだ。
成瀬の突飛な行動に慣れている”わたし”は、TVの中継を通して成瀬の活躍を見守っていたが、気まぐれから成瀬に付き添い西武に行くことに。
誰に注目されなくても自分の決めた目標を貫く成瀬。しかし祖母の容体が悪化し、西武閉店の日に行けなくなってしまう。
”わたし”は成瀬の代わりに西武ライオンズのユニフォームを着て西武に向かうが…。

第1章「ありがとう西武大津店」のあらすじです。

西武大津店は、実際に2020年8月31日に閉店したとのこと。
著者の宮島未奈さんは滋賀県大津市にご在住なんですね!西武大津店にすごく思い入れがある方なんだろうな~。

【ネタバレ注意】読んだ感想

ここからは、各章の感想を書いていきます!

ありがとう西武大津店

めちゃくちゃ泣きました
もう電車の中で大号泣。

自分が決めた目標にまっすぐな成瀬と、それを表面上嫌そうに見せつつも誰よりも一生懸命応援する島崎。
ラスト、成瀬がやむを得ない事情で目標を完遂できそうにないとき、島崎は成瀬の代わりに「夏を西部に捧げる」ことを果たそうとするんですよね…泣

島崎がひたすら成瀬のことをパブサしてるのも、成瀬はすごい人だと心の底から思ってるからですよね。
そして、しっかりと西武大津店の周囲のひとたちもふたりのことを見ていてくれていたという…。

コロナ禍を描いていたこともあり、高校時代を思い出して胸が熱くなりました(成瀬たちは中学生ですが)。
マスクで思うようにいつもの生活が送れない中、それでも何かを成すことはできるんだ、と教えてもらったような気分です。

膳所から来ました

これも成瀬と島崎の関係性がエモい章ですね。

これまで成瀬が何かを成し遂げ、島崎はそれをただ見守る・たまに手助けするという関係性だったのが、「ゼゼカラ」を組んでM-1に挑んだことで「ふたりで何かをやる」関係性になれたのが伝わってきました。
これがなければ、最終章には繋がらなかったんだろうな。

成瀬は幼稚園・小学校・中学校と孤立していて、でもそれをまったく気にしていないというような説明がありましたが、やっぱり成瀬自身、「どうせ他の人はわかってくれない」というような諦念があったのではないでしょうか。
だから「島崎は仕方なく付き合ってくれているだけ」と一歩下がって考えてしまったんだろうな、と。

でも、「コンビじゃん」と言われたことで対等な関係性に気付けたんだね…。エモいね…。
ふたりで準備して、ふたりで意見を出し合って、ふたりで挑戦して、ふたりで結果を嚙み締めたんだね…。青春…。アオハルじゃん。

階段は走らない

主人公が成瀬ではなく、同じ場所に住むIT系のサラリーマン・敬太に変わります。

最初読んだ時、敬太が幼なじみである敏腕弁護士・マサルに対して劣等感マシマシで、正直ちょっと苦手なタイプかもと思ってしまったのですが、読み進めていくうちに友達想いな敬太が大好きになりました!

引っ込み思案でなかなか表立って行動するタイプではないけど、友達のことをしっかりと考えられて、やるときはやる敬太。かっこいい!
よく劣等感からひねくれて「同窓会とかダルい」となってしまう人もいますが、敬太の溢れる地元愛・同級生愛はそんなこと微塵も醸しません。

敬太がつくったウェブサイトに少しずつ昔の仲間が集まっていく過程は本当にエモかったです。

ラスト、ずっと探してた同級生タクローとの再会も、「これからは親友!」という感じではなかったのが逆に良かったです。
きっとこれからも近すぎない関係性のまま、普通の社会人にとっての「昔の同級生」という付き合い方が続いていくんだろうな~と勝手に思ってます笑

線がつながる

この章の主人公かえでも、はじめは成瀬やカースト上位を妬む嫌なやつかと思いきや、目標に邁進できる尊敬できる子でした!
カースト上位になれない自分を恥じながらも、「勉強」という打ち込めるものを見つけ、目標を決めて努力できる。すごい!

また、ここでも仲良し女子ふたり組のエモい関係性が描かれていました
かえでが、「自分にはこのくらいの子がお似合いだ」と半ば見下しながら仲良くしていた悠子にそのことを指摘され、自分のプライドを自覚させられるシーン。
「自分はカースト制度やクラスの人間関係を把握している」という思い上がりはあるあるですよね笑

くせっ毛に悩むところや、カーストに関する劣等感、人付き合いでの嫉妬や見下しあいなど、かえでの内面がリアルすぎる。
(島崎の「成瀬アピール」はすごく共感できました…笑)

でも、その後かえでは悠子の大切さをしっかりと理解し、相手を尊重することを学ぶ。
自己中心的な思い上がりを自覚し、成長したかえでに拍手を送りたい!なかなかプライドの高さって認められるものではないですよね笑

きっとこの後もふたりは、お互いがお互いを大切にする関係性を築けていけるんだろうな、と思います。

レッツゴーミシガン

この章で成瀬に惚れる男の子・航一郎も、すごく素敵なキャラクターでした!

まず、成瀬の「ほかの人と違う」部分を尊敬して、好きになれるのが良い。
成瀬が「200歳まで生きる」と言っても否定せず、驚きながらも慎重に言葉を選んで返答できる。
人間が出来すぎている…。

航一郎の親友である有希人も、ただの面食いかと思いきやひとの好みや行動を絶対に否定しない超絶いい子。
有希人がいなければ航一郎は成瀬と親しくなれなかったし、振られた(?)航一郎をしっかりと慰めようとしている。
今は振られっぱなしでも、有希人にはいいパートナーができそう。

ちょっとお節介な考えるより動こうタイプの有希人と、自分から動くことは苦手でもしっかりと考えて相手を尊重できる航一郎は、すごく良いコンビなのかもしれませんね!

ときめき江州音頭

今度は成瀬の視点から島崎との関係性が描かれる最終章!

「ゼゼカラ」解散の危機⁉と思いきや…。
ここでも敬太の良い人柄が伝わってきましたし、今までのキャラクターたちの交わりがエモかったです。

島崎に東京へ引っ越すと告げられた成瀬が、勉強に集中できなくなり、なにをやってもうまくいかない…となっているところが、「成瀬の中で無自覚に大きい存在だった島崎」感が出てていいですね。
というか、この2人のお互いがしっかりとお互いを思い合っている関係性がいいですよね…。

女子の友情はたいていどちらか一方の矢印に比重が偏りますが、そのつり合いが取れれば成瀬と島崎のような関係性になれるのでしょうか…?
というか、お互いがお互いの同じくらいの矢印を確認したのが「膳所から来ました」だったんですよね(?)

成瀬はあんまり泣いたりしなさそうなのに、今まで当たり前だった色々が実は特別なものだと気がついて涙するシーン。
からの、島崎との関係性はこれからも続いていくんだと確認できたときの安心する成瀬のシーン。

人生は変わっていくものだけど、変わらないものはあるんだ、と思えました。

「自分で決めたことを継続する」ということを学べました!

↑お気に入り部分

『成瀬は天下を取りに行く』を読んで、ひたすら成瀬を尊敬しました。

成瀬は「やろうと思えばやれるかもしれない」という意識で生きてるからこそ、色々なことに挑戦し、かつそれを貫き通すんですよね。

私も、自分で決めた「読書家になる」という目標を「できるもの」として意識し、毎日継続を心がけたいと思います!
ぜひこれからもよろしくお願いいたします✨

まずは100冊読むぞ~!!

続刊も読みます!

『成瀬は天下を取りにいく』は続刊も出ているそうで、今回貸してくれた職場の先輩から一緒に借りてきました!

次はそれを読んでいこうと思います!

字が大きくて読みやすかったので、初心者にもやさしい設計で嬉しいです♪

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