こんにちは、ゆあです!
本を読んだことのない社会人一年目が本を読み始めるというこのブログ、4回目となる今回は『成瀬は天下を取りにいく』の続編である、『成瀬は信じた道をいく』について書いていきます!
各章の結末に触れていますので、未読の方はご注意ください。
『成瀬は信じた道をいく』を読んでみた

2024年の本屋大賞を獲得した『成瀬は天下を取りにいく』の続編となる今作。
成瀬は高校生になり、そしてなんと大学生にもなります✨
成瀬の世界が広がっていたり、相変わらず変人だけど少し成長した部分が垣間見えたりと、成瀬ファンにとってはすごく刺さる2巻!
今回も短編集だったので、初心者である私でもすごく読みやすかったです。
またまた泣かされました
『成瀬は天下を取りにいく』でも、「ありがとう西武大津店」でめちゃくちゃ泣かされましたが、今回もやられました笑
特に最後の章「探さないでください」の成瀬と島崎の絆に号泣😢
思春期女子特有の感情がすごいリアルで、共感の嵐でした!!宮島未奈さん、恐るべし…。
あらすじ
⇓今回もあらすじをまとめていきます!
大津市立ときめき小学校に通う小学4年生の北川みらいは、「ときめきっ子タイム」という総合学習のテーマとして、「ゼゼカラ」を調査して発表することを選ぶ。夏祭りで「ゼゼカラ」の漫才をみたときから2人の大ファンなのだ。
成瀬や島崎とどのように連絡をとればいいかわからず、とりあえず同じ班のたいちゃんが見つけた近所にある成瀬の名前を見つけに行こうと出かけると、そこで成瀬と偶然出会い、話を聞けることに。しかし、同じ班の友達はあまり「ゼゼカラ」の調査に乗り気ではなく…。
果たしてみらいの発表はうまくいくのか。
最初の章である「ときめきっ子タイム」のあらすじです。
「ゼゼカラ」、特に成瀬の大ファンである小学4年生のみらいちゃんが、授業の一環として成瀬の調査をしようとするが、他の子が調査のテーマを「ゼゼカラ」にするのに乗り気ではないのではないか…と悩みます。
次で各章の感想を書いているので、ぜひそちらもご覧ください!
【ネタバレ注意】読んだ感想
ときめきっ子タイム
みらいちゃんがこの章で抱えているのは、小学生ならではの悩みであると同時に、友達が本当はどう思ってるのか?共同作業する仲間が本当に同じ方向を向いているのか?というのは、永遠に尽きない悩みでもありますね。
提案して決まったときは深く考えなかったけど、後からよくよく考えると、他のみんなは自分が決めたテーマを良く思っていないのではないか?というあるあるの悩み…。私にも経験があります笑
特に、実際に不満を漏らしていることを聞いたり、やる気のなさが態度に出ていたりするのはキツイですよね。
でもみらいちゃんは、小学生にして今の日常が当たり前でないことに気付けるし、自分の好きなことを他人も好きであるとは限らないと気付ける超いい子。
私なんて小学生の頃は自分の好きなものは全人類好きだと思ってました。
陰口を言っていた(?)ように見える結芽ちゃんも、面と向かって否定しない優しさがあるし、やる気がなさそうだったたいちゃんも進めていくうちに成瀬に興味を持ってくれた。
完璧なわけじゃないけど、でもちゃんと優しさがあるのが成瀬シリーズのキャラクターの魅力ですよね!
成瀬慶彦の憂鬱
今回の主人公は、なんと成瀬のお父さん!
このお父さん、成瀬に「やれやれ、変わった子だなぁ」感を出してるけど、実は最終章で島崎の冷静な観察眼により成瀬のゴーイングマイウェイなところは父親にだって看破されてるんですよね笑笑
たしかに、この章も成瀬が一人暮らしするものだと勝手に勘違いして、覚悟まで決めてる笑
新キャラとしてYouTuberである城山友樹も登場します!
京大にはやはり変な人しかいないのだろうか…。素数しか書いてない定規が売っているという謎情報しか持っていない笑
友樹の家庭環境は複雑そうだけど、重くならないのがこの本のいいところですよね。
友樹にも友樹なりの「普通とは違うところ」があって、成瀬にも成瀬の「普通とは違うところ」がある。
そんな鷹揚さで生きていきたいですね~。
余談ですが、この章で成瀬のお母さんの反応が面白くて結構好き笑
やめたいクレーマー
西武大津店の跡地に建ったマンションに住む主婦・呉間言実が主人公です!
言実は「呉間」という苗字らしく、”生粋のクレーマー”(だと本人は思っている)。
クレーマーをやめたいと考えているけれど、なかなかやめられず悶々としているときに成瀬と出会い…。というようなお話です。
クレーマー視点のお話ははじめてです👀
「嫌な人」のイメージが強いけど、クレーマーにもクレーマーなりの事情があるんだな…と思いました。作家の想像力、すごい。
言実も愛すべきツンデレ笑
正義感が強いからクレーマーにもなってしまうけど、正しく正義感を行使すれば万引き犯も捕まえられるんですね♪
しかし、成瀬がアルバイトをはじめるとは。着実に大人になっている…。
笑顔がつくれない成瀬を周囲は自然に受け止めているんだなぁ。「そもそもなんで店員は笑顔でいないといけないのか」なんて、考えたこともなかったです。
新しい視点を得られました✨
コンビーフはうまい
かれん~~~~泣
ひたすらかれんが良い…。最初人を観察してジャッジするような嫌なやつだと思ってたのに…。
ほんとに宮島未奈さんは下げて上げるのが上手いなぁ。
琵琶湖観光大使するために生んで、琵琶湖観光大使になるために育て、琵琶湖観光大使になった後は次の琵琶湖観光大使を生むために結婚させる…。こ、怖い。
でも、かれん的には「毒親」と言われるのはちょっと違うんですよね。
確かに将来を確定されるのは嫌だけど、でも琵琶湖観光大使は(たとえ親に植え付けらたのだとしても)かれんの目標だったわけで、それを「毒親」って言ってしまうのは、それまでのかれんの18年間を否定するのと一緒なのかな。
かれんにはちゃんと兄という逃げ場がありそうで良かった。
みんながみんな、しんどい家庭環境を「毒親」と非難して、好きなことを堂々とアピールすることが幸せだと考えているわけじゃないんだな、と当たり前のことに気付かされました。
かれんはあくまで細々と撮り鉄を楽しんでるのが「しっくりくる」んですもんね。
というか、成瀬敬語で喋れるんかい笑
かれんが成瀬に「そのままでいい」と言ったところ、号泣しました。
予選通過はできなかったけど、特別賞というその名の通り「特別」な賞をもらえたのは最高のラストでした!
みんなそれぞれに歴史があるんだ、とかれんが気付いて成長する物語でしたね。
一番映えてたよ!
探さないでください
キャラクターたちのが全員集合する、総集編のような最終章。
「探さないでください」と書置きを残して消えた成瀬を、サプライズで帰省した島崎と成瀬父が探します。
東京の大学で楽しく過ごしていた島崎は、成瀬を捜索するうちに、成瀬の広がった世界を実感し、嫉妬や寂しさを感じる。
エ、エモい~泣
わかる!わかるよ島崎!私も親友が長野の大学に進学したとき、自分も大学の友達いるくせにめっちゃ嫉妬してた笑
というか、かれんに話しかけたときの島崎の行動が良い。撮り鉄にとって電車が通り過ぎる瞬間が大事ってわかって、みらいちゃんを止める島崎は、きっと他人の大切なものを尊重できる人なんだろうな~。
そんな島崎だからこそ、成瀬と唯一無二の親友なんでしょうね!
あと、前回も書きましたが、成瀬と島崎があまりにもお互いを想いあっている…。
あんまり滋賀県と東京都でお互いの家を同じタイミングで訪ねたりしないよ笑笑
ラストシーンは感動でしたね!
とにかくかれんの「成瀬が一番映えてたよ!」が良かった。
かれんにとっての「映え」は、成瀬と観光大使になる前はいわゆるインフルエンサー的な「映え」だったのに、「コンビーフはうまい」でしっかりと「自分の良いと思ったもの=映え」に変わってて、感動の嵐。

かれんはきっと、自分の良いと思った道をしっかりと歩んでいけそうですよね。
成瀬はもちろん島崎やかれんが大好き!
謎に島崎やかれんへの愛に溢れた回になってしまいました笑笑
成瀬はもちろんなんですけど、成瀬が変人であることで、周囲の人がどんな風に”違い”を受け入れるかとか、どんな風に優しさを見せるかとか、その人の魅力を引き出してる!!
すごい小説でした✨
私も成瀬と一緒に、日々目標を口に出します!目指せ100冊!あと96冊!
続編が楽しみ
Xで教えていただきましたが、成瀬の続編が12/1に発売されるそうです!楽しみ~!!
最終巻らしく、終わってほしくない気持ちもありますが😢
あと3か月、何冊読めるかな♪

↑帯(と言うらしい)の佐久間さんのコメントが良い!
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