【80冊目】『文字渦』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない社会人2年目が読書を始めてみるというこのブログ。

78回目は円城塔さんの『文字渦について書いていきます!

『コード・ブッダ』『去年、本能寺で』に続き3作品目の円城塔さんです。

変わった作品が多い方ですが、今回はどんな小説を読ませてくれるのか。

読んだ感想を書いていきます!

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
※Amazonアソシエイトプログラムに参加しています。

円城塔著『文字渦』を読んでみた

「オブ・ザ・ベースボール」で文學界新人賞を受賞してデビューした円城塔さん。

『道化師の蝶』で芥川賞、『コード・ブッダ』で読売文学賞を受賞するなど、様々な文学賞を受賞されています✨

本作『文字渦』も川端康成文学賞と日本SF大賞をダブル受賞しており、文学としてかなり高く評価されているようです。

少し難解な部分が多い円城塔さんの作品ですが、『文字渦』も例に漏れず一読しただけでは完全に読んだとは言えない小説になっています。

しかし、完全に理解できなくてもおもしろいのが円城塔さんのすごいところ

小ネタにクスッとしたり、見たこともない紙面に驚いたり、色んな読書体験をさせてくれます!

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

境部さんは、ものをつくる人である。紫上を失った源氏の悲しみに同調しすぎて書字機能に異常をきたし、リハビリを必要とするニューラルネットワーク搭載の筆書きプリンタ「御法」などをつくっていたりする。薄型ディスプレイの製造コストが下がり、昔ながらの紙が廃れてしまった時代に、境部さんはディスプレイの上に本をレイアウトしなおすための基本ルールを与えた。しかし、境部さんは表示される文字をいくらリアルタイムに変化させても、文字の本質はそこには映せず、そこにあるのは文字の死体にすぎないと言う。「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」

円城さんの小説は相変らずあらすじを書くのが難しい💦

殺人事件ならぬ「殺字事件」がおきたり、ポケモンバトルのように文字を闘わせる「闘字」があったりと、かなり独特な世界。

文字を主役にした12の連作短編が収録されています。

中島敦にも同じ読みで「文字禍」という短編があり、こちらも文字を題材とした小説なんだそう。

帯にある「翻訳不可能」という言葉の通り、日本語だからこそ、という作品です!

(余談ですが、帯の裏に書かれた「文字ももじもじ。」という言葉に不覚にも笑ってしまいました。)

【ネタバレ注意】読んでみた感想

まさに前代未聞の小説です。

…小説なんでしょうか?いや、間違いなく小説ではあるのですが。

まず、何も考えずページをペラペラと捲ってみてください。

おびただしい量のルビが振られたページが複数回登場し、「なんだこれは」と紙を見るくまのプーさん状態になること間違いなしです。

しかも、本文の文章をまる無視してるし、ところによっては本文に対して突っ込んでいたりする笑笑

そこにある「左」は「右」なのかもしれず、「右」は「上」かもわからなかった。

という本文に、

あのですね。いうまでもなくひだりはひだりでみぎはみぎうえはうえにきまっています。そんなことまでうたがうなら、いつそもじなどもやめてしまうのがよいのです。

というルビがついているくらいです。

こんな変なルビ、見たことない!

しかも、斜に構えたような、人を食ったような諧謔も相変わらずです。

こういうときにわざわざあえて、長く続く一族などと断るのは愚かしいといつも思う。どんな者でも長く続く一族の末裔であるに決まっており、そうでないならある時突然そいつは湧いてきてでてきたことになり、そちらの方が余程貴種のはずではないか。

これこそまさに円城塔!って感じですよね✨

ところどころに潜むこうした諧謔や一発ギャグにニヤニヤしながら読むのが正しい円城塔の読み方だと思ってます笑笑

「昔、文字は本当に生きていたのじゃないかと思わないかい」

天才ものづくり家・境部さんは、ディスプレイの上に表示されより前、文字は本当に生きていたんじゃないか、と問いかけます。

そして実際、短編によっては文字が生き、物語を成している。

(ある短編の答え合わせが別の短編で見つかったりと、編まれに編まれた構成は読んでいて本当にお見事と言いたくなります)

文字は生きていたのか。その問への答えはともかくとして、私は結構文字の力というものを信じている側の人間です。

「苦」とか「辛」とか書いてあったらそっちに引きづられそうになるし、言霊とか、『文字渦』に登場する呪符なんかも結構信じます。

そして、文字こそが国家であるという本書の言葉にも、凄く納得しました。

「この文字は利便性や伝統に関わらずこのように書くのが正解なのだ」と定められるものこそ、国家なんですよね。

およそ人間らしさというものを省き捨てて完全に秩序に従わせることで、書く者に不自然な手の動きを強い、刻する物に無茶な鑿の使い方を強いるあの字形こそ、天子が地上を統べる宣言として相応しいのではないかと思う。

昔、まだ文字が手書き文字だったときはそういった力があって、「生きていたの」じゃないかな、と感じました。

SFが熱い!

先月はミステリー小説ばかりでしたが、最近はSFが熱いです✨

まだまだ難しい科学用語や難解な表現等は理解できませんが、それでもSFっておもしろい!!ということはわかります。

機械に心はあるのか…この宇宙に知的生命体はいるのか…

想像力が広がります!

ミステリー小説のように、どんどん色んなSF小説に挑戦していきたいです。

次回もどうぞ、よろしくお願いいたします!

コメント

タイトルとURLをコピーしました