【42冊目】『去年、本能寺で』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。

42回目は円城塔さんの『去年、本能寺で』について書いていきます!

思いっきり歴史ものなタイトルと表紙なのに、帯に書かれているのはAI!?

しかも、ジャンルとしてはSFのようです……。

果たしてどんな小説なのか。

読んで感想を書いていきます!

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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円城塔『去年、本能寺で』を読んでみた

「オブ・ザ・ベースボール」でデビューし、『道化師の蝶』で第146回芥川賞を受賞したSF作家・円城塔さん

その最新作である本作『去年、本能寺で』には、日本の歴史とAIを絡めた奇想天外な連作短編11作品が収録されています!

舞台は石器時代だったり、鎌倉時代だったりとバラバラですが、必ずその時代には無いはずのものが……。

細川幽斎がAIだったり、善鸞(親鸞の息子)がアイドルだったり、とにかくハチャメチャです。

そんなハチャメチャ具合がとにかく面白いので、爆笑しながら読めました!!

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

室町幕府の崩壊以来、軍事AIは長足の進歩を遂げる。他方、文事AIは、創造性と呼ばれるものを花開かせた。史上稀な軍事・文事AIである細川幽斎は、『古今和歌集』の「真の解釈」である古今伝授のただ一人の伝承者である。AIの創造性とは何か。古参AIである幽斎は思惟する……。

最早あらすじからして、何を言っているのか常人には理解ができません。

室町時代にAI??細川幽斎が軍事・文事AI??

しかし、設定からストーリーまで徹頭徹尾理解できないのに、何故か面白い。

コメディ的なおもしろさと、「AIの創造性とはなにか」という問いの興味深さ的おもしろさ。

二重のおもしろさが味わえます!

【ネタバレ注意】読んでみた感想

ぜんっぜん分かんないけど、めちゃくちゃおもしろい!!

読後の率直な感想を書くとしたら、これに尽きます。

めちゃくちゃ真面目にふざけているのだけは伝わる……。

壮大にハチャメチャやってるよこの人……。

まず、『古今和歌集』って英語で言うと「コレクション・オブ・ジャパニーズ・オブ・エンシェント・アンド・モダン・タイムス」ってなるんですね。長いわ。

室町幕府ですら、「アシカガ・ショーグネイト」と表記されているので、NARUTOをカタカナ英語で読んでいるときのようなむず痒さがあります。

どの短編も、舞台設定はとにかく壮大なのがこのコメディ感に拍車をかけている

「冥王の宴」の舞台は冥王代だし、「宣長の仮想都市」の舞台は超知能が作り出す超知能が出てくる江戸時代。

なのに、サラッと

ホモ・サピエンスの出現は二十万年前あたりとここではする。アフリカで生まれた。6万年前あたりに突如、故郷の地を出た理由ははっきりしない。おそらくは、おっちょこちょいがいたのである。

なんてことをぶっ込んできたりする。

しかも、「冥王の宴」では、地球が地球になる前の時代の話をしていたと思ったら、

本能寺もない。
まあ、ないであろう。

とか言ってくる。

ちょいちょい変な方向へアクセル全開です(褒め言葉)。

1番ぶっ込んできたな〜と思ったのが、「偶像」の

「無量光明」、「無量寿」といった形容の「アミタ」の部分をとって阿弥陀仏と呼ばれる。「輝いてるから、アミダっちね」というくらいの愛称である。

です。

厳しめの信徒が聞いたら大激怒しそうな説明ですが、こう言われた方が面白いですよね。

ちょいちょい笑わせてくれて、ちょいちょい考えさせられるおもしろSFでした。

カッコよすぎる信長

本作は連作短編集なので、11作目/最後の短編である「去年、本能寺で」で物語が集約されます

冥王代から石器時代、鎌倉時代から室町、戦国、江戸と色々な時代を舞台にめちゃくちゃなSFをやっていたのは、全て信長に繋げるためだったのです!!!(?)

多分読まないと全く分からないのですが(というか読んでも完全には理解できない)、とにかく信長がかっこいいことだけは伝わりました。

全ては信長が仕組んだことだった……!

源実朝の首がタイムスリップして源頼朝に届けられたのも、親鸞と善鸞がアイドルとして活躍したことも、石器時代の名探偵が殺人事件の謎を解いたのも、全て信長の野望だったのである。

何を言ってんだこいつ、と思った人ほどぜひ『去年、本能寺で』を読んでください。

自分で言葉にするのは難しいことこの上ないのですが、平行世界の可能性とか、遡って自体が確定されるとか、そこはかとなく量子力学の香りがするSF的要素も含め、とにかく面白かったです。

未来で自分がやったことは実は親子2代にでやったことになってるから、遡って自分が親と子に分裂する、なんて非常事態をおおらかに受け入れる王の器たちが楽しめます。

伝わらないこの面白さ!

今、私は無力感に打ちのめされています……

『去年、本能寺で』のおもしろさを上手く伝えられる語彙力がない。

あれほど使わないようにしていた「やばい」とか、普通に使ってしまった……。

というかまず、ちゃんと読めているかという段階から怪しいのですが。

いつかこのおもしろさをビシッと言い表せる日が来るまで、精進します!

次回もどうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

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