全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。
66回目は井上真偽さんの『アリアドネの声』について書いていきます!
どんでん返し系ミステリー小説です!
ミステリー好きの知人に勧められた本part7。
読んで感想を書いていきます!
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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井上真偽著『アリアドネの声』を読んでみた
『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞してデビューした井上真偽さん。
著作のうち、『探偵が早すぎる』は滝藤賢一さん主演でドラマ化もされているそうです!
本作『アリアドネの声』は、2023年に刊行され、私が読んだのは単行本版でしたが、文庫化もされています。
文庫版の帯で「一生モノのどんでん返し」とある通り、本当にステキなどんでん返しが味わえました!
ミステリーにおけるどんでん返しで得られるのは驚きだけじゃない!
あらすじ
↓今回もあらすじをまとめました!↓
地下にスマートシティを作るという計画「WANOKUNI」プロジェクトが遂に完成し、オープニングセレモニーが開催された。ドローンを販売しているベンチャー企業で操作の講習を担当している高木は、セレモニー後にある販売会のため駆り出されていた。しかしセレモニー後、突如として震度六強の大地震が起こり…。活断層の影響で甚大な被害を受けた地下都市に、ひとりの女性が取り残される。その女性は地下都市のアイドル、〈見えない・聞こえない・話せない〉の三十障害を持つ中川博美だった--。高木は中川を救出すべく、ドローンを使って捜索から避難地区までの誘導を試みる。
崩壊した地下都市内部に取り残された「見えない・聞こえない・話せない」の三十障害を抱える中川博美さん。
過去に兄を水難事故で亡くした経験から、災害救助用のドローンを製作・販売している会社に入社していた主人公・高木は、その操作の腕を買われ中川さんの救出作戦に加わることに…。
障害を抱える中川さんとどう意思疎通するのか?どうやって避難場所まで誘導するのか?
更に、救出作戦中、「WANOKUNI」プロジェクトを押し進めた知事の姪であり、地下都市のアイドルである中川さんが、実は障害を詐称しているのではないかという疑惑が持ち上がり--。
高木は中川さんを救い出すことができるのか!?
中川さんは本当に「見えない・聞こえない・話せない」のか!?
最後に待つどんでん返しまで気を抜けません。
【ネタバレ注意】読んでみた感想
最高のどんでん返しだった…。
「ミステリー小説におけるどんでん返しは驚きと展開のおもしろさを味わうもの」とも思っていた自分に「コラッ」て言いたくなる…。
まさかこんな素敵などんでん返しがあるとは。
めちゃくちゃ泣きました。
主人公の高木が一連の事件を通して変わっていくのも良いし、なにより色んな人が人の命を助けようと一生懸命動いているのが胸アツ。
ネットで心無い声がたくさん寄せられたり、暴露系YouTuberの盗撮用ドローンに負傷させられたり、大変なことばかりだけど、ただ目の前の命を救うことに全力になっている現場の人たちは、本当に誇り高いと思います。
ときに醜い人間が、ときに素敵な行動もするんだってことが描かれていたんじゃないでしょうか。
個人的に、主人公の高木に「ウザかった」と言い放った元同級生の韮沢さんの描写が秀逸だと感じました。
高木の「無理だと思ったらそこが限界なんだ」と励まされて「ウザかった」と言い放ったのにもかかわらず、自分のお願いが高木の上司に断られたら「無理だと思ったらそこが限界なんでしょ?」と言って高木の罪悪感を利用して無理やり希望を通そうとする部分は正直かなりムカつきましたが…
重荷に感じながらも、障害を抱えた幼い妹を本当に大切に思っていることがわかる描写もあって、なんか醜さと尊さが混じってる感じが等身大の人間!って感じです。
そして、やっぱり本書の魅力はなんと言ってもラストのどんでん返し。
ミステリー小説を読んで温かい気持ちになれたのははじめてです。
ぜひ、この最高に素敵などんでん返しを味わってみてください✨
「無理だと思ったらそこが限界」という呪縛/希望
主人公が10年以上ずっと囚われてきた、「無理だと思ったらそこが限界」という言葉。
ずっと死んだ兄に対して罪悪感を持ち続け、勇敢だった兄の言葉を忠実に遂行することで報いようとしてきた高木は、どんなに不可能な状況でも自分を削ることで無理を通そうとします。
しかし、同じ言葉を口癖にしている中川さんは、「無理だと思ったらそこが限界」という言葉を全く違うように解釈していました。
障害を抱える中川さんは、「無理だと思ったらそこが限界」というのは、無理だと思ったそのタイミングは自分に合った道を見極めるチャンスだ、というように捉えるのです。
目が見えないからこれはできないけど、代わりに触覚が敏感だから私にはこれができる、というように。
すごく素敵な考えですよね。
同じ言葉でも、考え方によって呪縛にもなり、希望にもなるんだ、と気付かされました。
高木がそれに気が付いて、自分が傷付かない方法を選択できるようになって良かったです。
作中にもありましたが、タイトルの元になっている「アリアドネの糸」は、元々希望を意味しているそう。
まさに希望に満ちた本書にピッタリなタイトルだと思います!
電車の中で読む際はご注意を…
『アリアドネの声』を通勤電車の中で読んだ私。
顔面涙だらけになり、無事に不審者となりました。
皆さんはぜひ周りに誰もいない状況でお読みください…。
まだまだ井上真偽さんの作品は借りているので、どんどん読んでいきたいと思います!
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。

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