【35冊目】『図書室のはこぶね』|まったく読書したことない新社会人の読書日記

読書記録

全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。

35回目は名取佐和子さんの『図書室のはこぶねについて書いていきます!

「図書室」……「はこぶね」……
とてもいい響きです。

ジャンルとしては青春ミステリー小説とのことで、はじめて読むタイプの本!

感想を書いてきいます。

※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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名取佐和子著『図書室のはこぶね』を読んでみた

「土ダン」と呼ばれる体育祭の伝統行事がある高校が舞台のミステリー小説『図書室のはこぶね』。

なんといっても、タイトルが良い!!

図書室ってなんかうるさい時間の学校の中でも静かで、外界から遮断されたような独特な雰囲気がありますよね。

(この表現からわかる通り、私は学生時代図書室にあまり縁がない生徒でした笑笑)

そして、表紙もタイトルにマッチしていてかわいい♡

はこぶねにたくさん本棚が積まれていて、生徒たちが思い思いにそこに腰かけているのが、なんかいい雰囲気を醸し出してますよね♪
(ちなみに、文庫版を読みました)

あらすじ

↓今回もあらすじをまとめました!↓

野亜高校では、毎年体育祭で”土曜のダンス”、通称「土ダン」と呼ばれる競技を全校生徒が披露することが伝統となっている。教師も生徒も、伝統を誇りに思いながらみんなで一丸となって「土ダン」の成功のため学生生活を捧げるのだ。そんな「土ダン」本番である体育祭1週間前のこの日、わたし・百瀬花音は図書委員代理を務めるため図書室を訪れる。怪我により「土ダン」に参加出来ないため、クラスメイトの仕事を肩代わりしたのだ。もうひとりの当番であるビーバーのような変人・俵朔太朗に仕事を教わっていると、途中で不自然な位置にあるケストナーの『飛ぶ教室』を見つけた。戻そうと棚を見ると、そこにはもう1冊の『飛ぶ教室』が。どうやら、見つけた本は10年前に貸し出されたまま戻ってこなかった本らしい。しかも、中には「土ダンをぶっつぶせ!」という不穏なメモがあって……。

亡くなった生徒が借りたままになっていたケストナーの『飛ぶ教室』が、10年を経て図書室で発見されたのはなぜか。

青春をバレーボールに捧げた高校三年生の花音は、怪我で体育祭に出られない鬱憤を『飛ぶ教室』返却の謎を解き明かすことで晴らそうとします。

しかし、真相に近付けば近付くほど、誰かを傷付けかねない秘密に踏み込んでいくこととなり……。

更には、「土ダン」をめぐった争いまでも解決しようとする花音。

無事に謎を解き明かせるのか。そして、体育祭を迎えられるのか。

書かれているのはわずか1週間の出来事ですが、そうと感じないくらい濃密でした。

【ネタバレ注意】読んでみた感想

青春のキラキラと、痛々しさ。

その両方が味わえた物語でした。

ミステリーとしてだけでなく、純粋に青春ストーリーとしてめっちゃ良かった……。

高校時代って、全てが楽しくて行事があるときなんか特に毎日キラキラしてたけど、同時に色々なことに悩んで、過剰に傷ついてたりしましたよね……(とか、知ったような口をきいてみる)。

体育祭の伝統である「土ダン」は、全校生徒の誇り。

だからこそ、完璧なものを作りあげようとみんなが必死になります。

しかし、完璧な「土ダン」の枠を外れてしまう人、例えば身体に不自由があったり、クラスのコンセプト通りの仮装をすることに抵抗があったりという生徒は排除されてしまう。

図書室に逃げ込んできたミルクティーカラーの髪色をした1年生・奈良君も、そんな1人。

「女装したくない」と言えずにクラスの雰囲気を壊してしまい、人気のない図書室に逃げ込みます。

「土ダン」に参加出来ない奈良君を見てモヤモヤした花音は、真正面からそのモヤモヤと対峙していく。

大人ならなあなあに済ませそうなところに、傷付きながらも立ち向かっていく花音の姿は痛々しくもありましたが、同時にキラキラしていて、絶対に救われる人はいるんだ、と思えました。

モヤモヤしたり、傷付いたり。時には恋をしながら1週間で『飛ぶ教室』の謎を解明しようと一生懸命な花音ちゃんが大好きです!!

そして、実はこの小説の中で一番羨ましかったのは、「本ソムリエ」だったり……

三問の三択問題に答えるだけで自分にピッタリの本を紹介してくれるなんて、おもしろすぎる……

欲しい!!!

誰か作ってください(他力本願)。

「人と生きる」こと

解説にもありましたが、この本は「人と生きること」を書いた本だと思いました。

特に、花音が『飛ぶ教室』の謎を追うことで知らない間に誰かを傷付けてしまっているかもしれないと悩むところ。

生きていたら、誰だって誰かを傷付けたり、苦しめたりしているんだと朔太朗に言われた花音は、こう返します。

そうかもしれないけど、”生きてんだから仕方ないじゃん”ってひらきなおるのは違うと思う。

だからこそ努力するのだ、と言い切る花音はカッコイイですよね。

そして、一番花音ちゃんを好きになれたのは↓の文章。

世の名探偵は、だいたい何パーセントの可能性を感じだら動き出すんだろう?私はゼロでない以上は動きたい。その結果、名探偵になれなくてもちっともかまわない。

花音ちゃんの真っ直ぐな性格が出てて素敵です👍

※ここから先結末への言及有り

クラスで決めた衣装を着て、全校生徒が同じ振り付けで、一矢乱れぬ隊列で完璧に踊る--その枠組みにきちんとおさまれる人だけが参加できる土ダンは、乗るものを選別したノアの方舟みたいなんだって、ハムは言ってた

「土ダンをぶっつぶせ!」と計画した当時の図書委員たちの、想い。

大切な仲間が「お荷物」なんかじゃないと示そうとした彼らの行動は、すごく大切なものなんだろうと思います。

読んでいてウルッと来てしまいました😢

そして、10年越しにその想いを受けとった花音は、みんなが参加できる「土ダン」を実現にこじつけますが、それまでの道のりには、障害とみなしていた体育祭実行委員やその顧問との関わりが不可欠でした。

立場の数だけ正義があり、正解はいつだって遠い。

「正義」と「正解」は違うんだと、教えられました。

ケストナー『飛ぶ教室』を読んでみたい!

謎の中心となっている『飛ぶ教室』。

あらすじにはあまり踏み込んでいないものの、キャラクターの魅力や物語のエモいポイントが『図書室のはこぶね』に深く関わっているので、猛烈に読みたくなりました✨

また、文庫の最後に朔太朗によって書かれたおすすめ本の紹介があって、作者の本への愛がめちゃくちゃ伝わってきます!!

当たり前に1冊も読んだことがなかったので、頑張って読んでいきます笑笑

次回もどうぞよろしくお願いいたします!

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