全く本を読んだことがない新卒が読書を始めてみるというこのブログ。
27回目はトマス・リゴッティ著『悪夢工場』について書いていきます!
真っ赤な表紙に黒い文字が最高にカッコイイ!!
小口(ページの断面をそう呼ぶらしい)も真っ赤に塗られていて、魔術書みたいになってます✨
中身が気になったので、購入しました!
感想を書いていきます。
※内容に触れていますので、未読の方はご注意ください。
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『悪夢工場』を読んでみた
トマス・リゴッティの本邦初単行本である『悪夢工場』。
「ホラーの化身」という異名を持ち、ブラム・ストーカー賞を4度受賞しているそうです。
寡聞にして存じ上げなかったのですが、ブラム・ストーカーさんはあの『ドラキュラ』の生みの親なんですね!
編纂・翻訳は若島正さん、翻訳は白石朗さんと宮脇孝雄さんです!
ホラー作品ということで、最近ホラーにハマりかかっている私的にかなり刺さりやすいのでは?笑
読んでみると前提知識が要求されるような作品が多く、少し難しいと感じましたが、解説にあがっているような海外作家をひとりも知らない私でも(なんとなくではありますが)楽しめました!
あらすじ
⇓今回もあらすじを書いていきます!⇓
刑務所のある町で暮らすことに不安を覚える妻は、夫が仕事にうんざりして転勤を考えはしないかと期待を込めて仕事の様子を問いかける。すると精神科医として刑務所に勤める夫は、思い詰めた様子で”名無し”の囚人について語り始める。転勤に対する夫の意欲が期待以上だと喜んだ妻は、しかし、話を聞くうちに底知れぬ不安が瀟洒な住宅に充満していくのを感じ…。/「戯れ」
短編集なのですが、どの作品も観念的で、あらすじではあまり魅力が伝わらないものばかりです。
収録されているのは「戯れ」以外にも、
- 複数の人格を持つ児童文学作家の物語「アリス最後の冒険」
- 奇妙な書店で奇妙な本を見つける男の物語「ヴァステイリアン」
- 記録のほとんどない田舎町のお祭りを調査する道化師マニアの学者の物語「道化師最後の祭り」
- 日常ではない神々に関する冒険譚が書かれた古い手記を発見する図書館司書の物語「ネセスキュリアル」
- 奇妙な映画館に迷い込んだ男の物語「魔力」
- ある日底知れぬ穴から暗黒が染み出してきた農村の物語「世界の底に潜む影」
- 〈かのもの〉と結ばれてしまった少年の物語「ツァラル」
- 誰も見たことも、行ったこともない赤い工場の物語「赤塔」
の計9作品が収録されています!
【ネタバレ注意】読んでみた感想
私の(ゲームで培った)拙い知識の中でも、ラヴクラフトだ!となりました。
TRPGやクトゥルフ神話がお好きな方は絶対好きになると思います!
特に、「道化師最後の祭り」「ネセスキュリアル」「ツァラル」の3編はかなりはっきりとクトゥルフ神話でいうところの邪神が暗示されています。
「道化師最後の祭り」はどこか生気をなくした町で行われる恐ろしい儀式を目の当たりにする物語なので、ついSAN値チェックしたくなります笑笑
「ネセスキュリアル」で海の底にいるという描写もあり、クトゥルフ神話との共通点がたくさん!
ただ、個人的に1番好きなのは「アリス最後の冒険」だったりします。
理由を説明するのが難しいので、雰囲気としか言いようがないのですが…笑
とにかくどの作品も雰囲気がオカルト好きに刺さります!
邪神、田舎町の儀式、妙に生気のない町、そして涜神的行為…。
これらのキーワードにピンと来たら、ぜひご一読を!
しっかりと知識をつけてから読んでから再読したい!
実はゲームやアニメの知識しかなく、ラヴクラフトの作品そのものを呼んだことがありません…
クトゥルフ神話をより楽しむため、これを機にラヴクラフトの作品をしっかり読んでみたいと思います!
なんでも、東京創元社から『ラヴクラフト全集』なるものが出ているらしい…。
しっかりとラヴクラフトを読んでからまた『悪夢工場』を読むと、分からなかった共通点や相違点が見つかりそうです!
いつになるか分かりませんが、ちゃんとした知識を蓄えてから再チャレンジしたいですね…。
また、解説で名前が挙げられているアーサー・マッケン、アルジャーノン・ブラックウッドも読んでみたいです!
なんでも、この2人は近代イギリス怪奇小説の3大巨匠なんだとか。
日本でもいくつか邦訳が刊行されているようで、挑戦してみようと思います✨
ホラー・怪奇の世界にどっぷり
和製ホラーとは少し違った雰囲気の海外ホラー。
どちらもそれぞれのおもしろさがあります。
これからもどんどん色々なホラー作品に触れていきたいですね!
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

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